三重県亀山市みどり町における猫一斉捕獲に対する抗議文


初めまして。 私は神奈川県平塚市で、湘南ねこの会という猫の保護団体の代表を務めております、太田惠子と申します。
この度、ツイッターにて、亀山市みどり町の猫一斉捕獲を知りまして、意見を申し述べたくメールしました。

今、ネット上に出回っている情報としては
「今年 9月22日 三重県亀山市みどり町の自治会長より 町民全員にまわってきた 回覧板によると「みどり町連合自治会として「野良猫」の捕獲を実施いたします。
捕獲した「野良猫」は、鈴鹿市保健所に持っていき収容致します」と書かれてあり 、
さらに 自前で「捕獲器」を持っておられる方は「野良猫」の捕獲に協力ください自治会長の連絡先とともに記載あります。」 というものです。
また、回覧版の文章としては次のように書いてあります。
「みどり町連合自治会会員各位殿 みどり町連合自治会会長 浜○清○ みどり町連合自治会として 「野良猫」の捕獲を実施いたします 捕獲した「野良猫」は鈴鹿保健所に持っていき収容いたします  
期間10月11日〜11月30日間で 実施します
 ●飼い猫がいなくなった時は 保健所と警察に連絡してください  
 ●鈴鹿保健所 059−382−8674  
 ●亀山警察署 059−582−0110  
自前で捕獲器を持っておられる方は「野良猫」の捕獲に協力ください  
 連絡先 059−82−○○○○ 浜○まで連絡ください

近隣住民に迷惑を掛ける飼いかたをしている飼い主は、動物愛護管理法7条に違反をしてます。
飼い主が所有物権を行使しようとしても、権利の濫用とみたされば所有権を行使することはできません。
また、管理不行き届きの猫が近隣 住民へ害をおよぼせば民法718条により飼い主が賠償する義務があります
外飼い猫や野良猫の被害を無くすためには駆除しかありません。
虐待法には 触れませんが合法的に害獣駆除しましょう。
捕獲器で捕まえ保健所へ持ち込むのが一番確実です。自宅の敷地内に毒餌を 置くのも効果的です。
ともかく猫は容赦なく駆除するに限ります」

これは市または県の指導の下に行っているものでしょうか?
回覧文は非常に感情的で、幼稚であり、失笑を禁じえませんが、
それはともかく、法律を自分に都合の良いように捻じ曲げて解釈し、 地域住民に有無を言わさず、猫駆除を正当化しようとしているところに大きな問題があります。

そもそも動愛法第7条を持ち出すなら、それ以前に、基本理念である第1条はどうなのでしょう。
「第一条  この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。」
ノラ猫を駆除することによって、動物を愛護する気風が招来され、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資することができるのでしょうか。

また、第2条に関してはどうでしょう?
「第二条  動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。」
猫の駆除は「動物をみだりに殺す」ことではないでしょうか。
また、「人と動物の共生」についても、何ら考慮がされていません。

第7条を持ち出すなら、飼い主のいないノラ猫についてはどうなのでしょう。
保護管理するもののいない動物は殺してもいい、ということなのでしょうか。
今、命を大切にする教育と言われていますが、 このようなことがまかり通る地域で育つ子供は、
どんな教育をされ、どんな大人になるのか恐ろしい気がします。

具体的に神奈川県及び平塚市の実態をお話しします。
神奈川県動物保護センターでは、以前から、飼い主不明猫の引き取りはしていません。
犬に関しては狂犬病予防法という法的根拠がありますので、捕獲しますが、
猫の場合、捕獲しないのはもちろんのこと、捕獲された猫も引き取りません。

平塚市ではここ数年で、猫に関する状況は格段に進歩しました。
まず、ノラ猫には不妊・去勢手術の補助金を出し、
ノラ猫に餌を与える人と近隣住民とトラブルが起きた場合、 市役所担当課の職員が出向き、
その猫が地域猫として受け入れてもらえるように
餌を与える人、近隣住民、自治会長も交え、話し合いを持ち、共生できるように調整します。

私たちのような団体または個人で保護活動をしている人間も、 不妊・去勢手術に、ノラ猫、捨て猫の新しい飼い主探しに、
適正飼養の普及に、日夜努力しています。
また、安い価格で不妊・去勢手術をし、診療をしてくれる協力動物病院の存在も重要です。

このような活動の結果、県の動物保護センターに平塚市から持ち込まれる猫の数は激減しました。
何も「駆除」などしなくても、自治体と住民と保護活動ボランティアが協力し合えば、ノラ猫は減らせるのです。
どうか捕獲、殺処分などという、文明国家にあるまじき蛮行はやめて、
創意と工夫で、猫と人間が平和に共生できる地域社会ができるよう、努力して欲しく思います。
いくら一般市民が頑張っても、限界があります。
地域猫制度創設に向けて、市長さんのご英断に期待いたします。

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